全部お任せの一任運用、ロボアドバイザー。通称ロボアド。
一言にロボアドと言っても多数のサービスが存在するが、今回は業界の一番手・WealthNaviについて、特徴とスペック面をまとめた。
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おすすめロボアドバイザーはどれだ!?WealthNavi、THEO、MSV LIFEを徹底比較!
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そもそもロボアドバイザーとは?
ロボアドバイザーというのは投資対象の決定・買付・利益の再投資・リバランスまでを一貫して行ってくれる、投資一任運用というサービス。
個人では知識と手間の掛かる分散・長期投資を一任できるので、ほったらかしで資産運用というのが魅力。
投資対象は国内外株式・債権・不動産(REIT)・コモディティ(商品)・通貨など。
当然いずれの商品も元本割れリスクがあるが、運用を開始する前に年齢・投資経験・スタンスなどでリスク許容度が設定され、その人に応じて投資対象や比率を変動させる。
※リバランス:投資対象の相場変動によるポートフォリオ比率の変化を修正すること。
以下の記事で概要についても説明している。
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最強ロボアドバイザーはどれだ!?3口座同時稼働!【WealthNavi・THEO・MSV LIFE】
この記事は2018年2月に、当時のサービス『MSV LIFE』について書かれたものです。 現在、同サービスは『ON COMPASS』に名称変更され、この記事の記載内容も現行と異なる場合がありますのでご ...
WealthNaviとは
株式会社ウェルスナビが提供するロボアドバイザー。
2016年7月にサービスインし、今では預かり資産400憶円超。預かり資産・ユーザー数共に国内No.1のロボアドバイザーである。(出典:日本投資顧問業協会、2017年9月)
テレビCMも放送されており、知名度も非常に高くなってきている。
住信SBIネット銀行・ソニー銀行・横浜銀行などと提携。各行を通しても同様のサービスに申し込める。(サービス名は「WealthNavi for ○○銀行」といった名称だが、中身は同一。)
WealthNaviの基本スペックと特徴
運用は10万円から
以前は最低投資額30万円だったが、2018年2月より10万円に引き下げられた。(その前にもキャンペーンでの引き下げ期間あり)
なお、後述する積立は月々1万円以上である。(積立をせず、都度入金分を運用していくことも可能。)
僕は2018年1月に10万円を入金し、以降は入金せずにそれを運用している。
手数料は1%
WealthNaviの運用手数料は預かり資産の1%。(年率)
これは信託報酬等を全て含めたトータルの費用。預入額が10万円ならば年間1,000円の手数料。(正確には時価総額に基き算出)
預入資産3000万円を超える部分に対しては手数料0.5%。つまり5000万円預け入れている場合、年間の手数料は40万円である。(3000万円×1%+2000万円×0.5%)
低コストのETFに比べると若干割高ではあるが、投資を一任できるサービスとしては非常に割安である。
※大手証券会社の類似サービスであるラップ口座は2%~3%程度。
なお、預入資産が50万円を超えていている場合、運用を続けると7ヶ月目から段階的に手数料が引き下げられ、最終的に0.9%まで割り引かれる。
200万円を超えると割引ペースが加速。最大割引率には変動なし。途中で出金すると割引が解除される。
※3000万円を超える部分は割引対象外で、0.5%のまま。
公称のパフォーマンス
WelathNaviが公称しているパフォーマンスは、年間6.0%。
※過去25年間のバックテスト。2017年4月現在、当初100万円・毎月3万円積立・リスク許容度は中央の3の場合。
手数料を引くと5%程度ということだが、この手のサービスとしてはまあまあ優秀である。
確実にこれ以上運用していく自信があるぜ!って方はどうぞご自由に運用して頂ければ。
1/1000株単位の端株取引が可能
WealthNaviであれば、通常の1/1,000単位の少額でETFを運用出来る。
これによって、少額の運用資金であってもバランスの取れたポートフォリオを構築、幅広い分散投資を行うことが可能。
例えば、米国株の有名ETFであるVTIは1単位が135ドル超。15,000円程。(2018年5月現在)
例えば10万円の資金でこれを運用に組入れようとすると、それだけで15%を占めてしまう。
一方、1/1000株単位であれば15円程度。0.015%程度の比率になるので、より柔軟なポートフォリオを構築できる。
大きなレゴブロックで精密な作品を作ろうとするとサイズが大きくなるが、ナノブロックなら小さいサイズで作れる。そんなイメージ。
税金の最適化:DeTAX
年末時点で一定以上の実現益(決済されて確定した利益)がある場合、抱えている含み損(決済されておらず、確定していない損失)を決済させることで当年の実現利益を圧縮。税負担を繰り延べることができる。
例えば年末時点で100万円の実現益と50万円の含み損がある場合、100万円部分に対して所得税+復興特別所得税で203,150円の税金が掛かる。
しかし50万円の含み損を確定させてしまえば課税所得は50万円になるので、税金は101,575円で済む。
将来払うか今払うかという差ではあるのだが、DeTAXを行うことで差額の約10万円を少なくとも1年間運用することができる為、これを積み上げていくと少なからぬ差が生まれていく。
これを自動でやってくれるのがWealthNaviの一つの強み。
自動積立は豊富な金融機関に対応
WealthNaviでは手数料無料で金融機関からの自動引き落としによる積立が可能。
積立は資産形成をする上で非常に優秀な手段で、毎月1万円(年間12万円)の積立を年間5%の成績で運用できた場合、10年間で原資120万円が151万円に、20年間で原資240万円が397万円になる。(年単位で計算。1万円未満四捨五入。)
ドルコスト平均法・・・という意見もあるが、それは限定的な条件下でのメリットであり、本質は運用資金を確実に捻出してしっかり原資を築くこと。その上で運用されるから有利なのである。
毎月の積立額は1万円以上1円単位で、任意のボーナス月(年2回まで)には1円単位で増額することが可能。
(極端な話、毎月10,001円、ボーナス月は10,002円ということも可能。また、2回のボーナス月の金額を変えることもできる。)
引き落とし日は毎月6日、12日、20日、26日、末日から設定可能。金融機関の営業日でない場合、翌営業日。(2018年4月以前は毎月26日のみだった。)
積立の金融機関都市銀行・ネット銀行では以下に対応。
みずほ銀行
三菱UFJ銀行
三井住友銀行
りそな銀行
埼玉りそな銀行
ゆうちょ銀行
ジャパンネット銀行
セブン銀行
ソニー銀行
楽天銀行
住信SBIネット銀行
じぶん銀行
イオン銀行
新生銀行
地方銀行・信金・労金などもかなりの数に対応しており、対応数としては充分すぎる印象を受けた。
クイック入金対応は6行
クイック入金に対応しているのは、以下の金融機関。
三井住友銀行
みずほ銀行
三菱UFJ銀行
住信SBIネット銀行
ソニー銀行
イオン銀行
これらのネットバンクを利用していれば、手数料無料で入金をすることができる。
リスク許容度診断
WelathNaviの診断では、6つの質問に答えてリスク許容度などを診断する。
リスク許容度は、1(最もローリスク・ローリターン)から5(最もハイリスク・ハイリターン)の5段階。
・年齢
・年収
・金融資産額
・積立額
・運用目的
・株価が20%下がったら・・・
という6項目。
これらを組み合わせてリスク許容度や、シミュレーション上の年数・資金などが設定される。
とはいえ、自分に合っていない運用を行っても本来の趣旨から逸れてしまうので素直に答えよう。
なお、僕の診断/運用はリスク許容度5という結果だった。
色々弄ってみたところ、年齢を60代にすると運用期間が短く、必然的にリスク許容度は低く抑えられるようだ。
逆に20代で長期運用になるとリスク許容度は高くなる。10年ならば急落の恐れがあっても、30年すれば取り返せるということなのだろう。
この辺りはリスク許容度と運用シミュレーション上の金額に反映されるようだ。
例えば資産300万円だと運用金額100万円に、資産3億円以上だと運用金額1000万円に設定される。
もちろん、その金額通りに運用する必要はない。
ここは単純に運用シミュレーションに積み立てを含めて計算するかどうか。
実際の運用イメージに沿って設定すれば良いだろう。
これはリスク許容度とシミュレーション上の運用年数に反映される項目だろう。
例えば住宅購入や退職金運用を選ぶと、リスク許容度は低く、期間は短くなりそうだ。
これは運用に対する考え方。基本的には上の方がリスク許容度が低くなるだろう。
リスク許容度5(最もハイリスク・ハイリターン)の場合
リスク許容度が高いと株式の比率が高め。
米株・日欧株、つまり先進国株が約2/3、新興国株を含めると8割以上が株式である。
30年運用すれば5割の確率で4倍、3割の確率で6倍って中々のものである。
一方、リーマンショック後には半分近くまで評価額を落としており、取り返すのに4年近く要すなど暴落時のリスクはしっかりある。
短期的に必要になる資金をこの運用に回すのは得策ではないだろう。
リスク許容度1(最もローリスク・ローリターン)の場合
※リスク許容度1、かつ30年運用という設定にできなかった為目標額などが若干見辛い。ご了承を。
リスク許容度1だと債券が2/3を占める。
最もローリスクローリターン設定でもリーマンショック後には資産が3割程目減りしており、このような下落を許容できないのであればロボアドバイザーは不向きだろう。
また、下落幅は違えど元本回復に要した期間はほぼ同程度であり、長期投資に暴落は付き物と割り切れるのであればリスク許容度は高くて良いのだろう。
(そのように割り切れる人は最後の質問「1ヶ月で株価が20%下落したら?」に追加投資と答えるから、結局リスク許容度は高くなるということか。なるほどしっかり出来ている。)
まとめ
No.1ロボアドバイザー、WealthNavi。
銘柄の選定・購入から入れ替え・リバランス・更に税金の最適化まで全部お任せ!
手数料は年間1%、リスク許容度中央の設定で年間6%の期待パフォーマンス!
10年単位の長期運用、ほったらかしで全部一任するには非常に便利なサービスである。