リピート系注文において、何も全価格帯を全力で注文貼る必要もないだろうという考えに基くレンジずらし。
想定レンジのうち、高値圏では買わず、安値圏では売らない。そうすることで資金効率は向上するのか・・・実際に計算してみたいと思う。
【概論編】両建てリピートを効率的に!応用その1「レンジずらし」
【レンジ設定編】両建てリピートにおけるレンジずらし、必要資金計算【クロス円編】
レンジ設定編には過去20年間の月足も載せているので、視覚的イメージを持つ為にも流し読むことをおすすめする。
以下、計算結果を見ていこう。
前提条件
MT4で抽出した過去10年間(2007年~2016年)の1時間足を基に、Excelで計算。
買いの場合、始値→安値→高値→終値で推移したものとして扱う。
(売りの場合は始値→高値→安値→終値。)
なお、資金効率は言い換えれば年間利益率である。0.100なら10%。
スプレッド
ドル円
レンジ設定
全体レンジ:75円~145円
買レンジ:75円~125円
売レンジ:95円~145円
利食い回数比
資金効率比
ユーロ円
レンジ設定
全体レンジ:90円~170円
買レンジ:90円~150円
売レンジ:110円~170円
利食い回数比
資金効率比
豪ドル円
レンジ設定
全体レンジ:55円~110円
買レンジ:55円~100円
売レンジ:65円~110円
利食い回数比
資金効率比
NZドル円
レンジ設定
全体レンジ:40円~95円
買レンジ:40円~85円
売レンジ:50円~95円
利食い回数比
資金効率比
ポンド円
レンジ設定
全体レンジ:115円~250円
買レンジ:115円~240円
売レンジ:125円~250円
利食い回数比
資金効率比
カナダドル円
レンジ設定
全体レンジ:65円~125円
買レンジ:65円~115円
売レンジ:75円~125円
利食い回数比
資金効率比
スイスフラン円
レンジ設定
全体レンジ:70円~145円
買レンジ:70円~135円
売レンジ:80円~145円
利食い回数比
資金効率比
まとめ
レンジを分け、運用資金を絞ることで総じて資金効率が高まる。
特に顕著なのは大きくレンジを絞ることができたドル円・ユーロ円。
そして、削り幅は小さいながらも元のレンジが狭く、比率的に効果の高かった豪ドル円・NZドル円。次いでカナダドル円。
注目すべきは、例えばドル円の売り。
90円を売り下限としており、3年近く利益が無い時期があったにも関わらず資金効率では勝っている。
レンジ幅の拡大と共に必要証拠金は加速度的に膨らむので、必要なところに絞ることが如何に重要かを物語っている。
レンジずらしデメリット
ここまで申し上げたように、長期的には資金効率を大きく高める効果があるものの、短期的には売買一方しか利益を出せない、つまり収入半分の時期に突入する可能性がある。
まさに上記ドル円のケースである。
両建てなのでゼロという訳ではないが、決して無視は出来ない問題。
対策としては通過ペアの分散などがあるが、クロス円は似た動きをしがちなので劇的な効果があるとかと言うと難しい。(通貨ペア分散自体は望ましいことだと思うが。)
手法の分散も選択肢に含めるべきだろう。
レンジずらしならトライオート!
想定レンジを売買別に指定する。これはループイフダンには出来ない芸当なので、トライオートの出番である。
上記を見て分かる通り、コスト差なんて余裕でペイできる程の効果がある。(1万通貨単位まで増資できればコスト差さえ埋まる。)
僕もこの手法でリピート運用を行うつもり。断然おすすめ。