ここまでの記事で、リピート系注文における必要資金の計算などを行ってきた。
必要資金はいくら?リピート系注文における下落幅と含み損の早見表。
例えばドル円であれば過去20年間の値動きは75円~145円程度。
100pips間隔・両建ての注文で全レンジをカバーするには、1,000通貨あたり2,896,800円。
売買でのレンジずらしをすることで1,000通貨あたり1,570,800円となる。(買い75円~125円、売り95円~145円。)
両建てリピートにおけるレンジずらし、資金効率は如何ほどに。【クロス円編】
では、ドル円の長期リピートは157万円なくては運用できないのかというと、そんなことはないよという話。
リピート系注文、最も資金効率の高い通貨ペアは?【クロス円編】
必要資金はあくまで想定レンジ内の最大
重要なのは、ここで言う必要資金とは20年間の値動きを上下しきる時に必要になるということ。
つまり、明日明後日その額が必要になる訳ではない。適宜増資をしつつ運用することが可能ならば、スタート時点ではその全額が必要な訳ではないということだ。
どのくらいの期間にどのくらいの変動があるかを想定し、それに間に合うように資金を準備すれば良い。
最初から全額置いても、拘束されない資金を遊ばせることになるしね。
とは言え期間はまちまち
例えば、ドル円
現在値110円付近を基準に考えた時、上限まで約2年、そこから下限までもう11年、合計13年くらい掛けて到達している。
では、途中節目はあるとはいえ10年掛けて増資していけばいいかと言うと、通貨ペアが変われば話は変わってくる。以下。
例えば、豪ドル円
同じように現在値2年弱で上限に達し、そこから1年程で底まで急降下している。合計約3年。
上記ドル円のようなペースで資金準備を考えていたら即退場である。
一先ずは3段階
上記豪ドル円の例は極端かもしれない。でも、過去に実際に起きた話だ。
それに豪ドルが異常だった訳ではなく、同時期にポンド、NZドル、カナダドルにおいても同様の動きを見せている。
数年に一度は何かしらのショックが起きてもおかしくないFXにおいては、最低限以下のような心構えをしておくべきだろう。
初期資金:直近3ヶ月~半年程度に想定される値動きに対応
1年程度:現在値→上限(下限)への一方的な動き(+α)及び現在値を中心としたレンジに対応
2~3年程度:上限→下限(下限→上限)への全力値動きに対応
(※)+α:現在値からちょっと上がって一気に落とす、など少し余裕を見る。ドル110円→115円→75円、など。
では、以下どのくらいの動きかを何となく見てみよう。あくまで僕が運用するならこのくらいかなという感覚的なものなので、自己責任で。
ドル円(USD/JPY)の場合
全てに画像を付けていくと冗長になるので、ドル円を例として書いていく。
初期資金
100円~125円程度の動きを想定。
下落(赤)の場合は115円→100円、上昇(青)の場合は105円→125円。後者の方が必要資金は大きく、315,000円。
つまり、ドル円のリピートならば1,000通貨あたり30万円程度でスタートできるということ。
1年程度
1年もあればナントカショックが起きる可能性は大いにある。
下落であれば115円→75円まで、上昇であれば105円→145円までを想定する。必要資金が大きいのは後者で、1,057,800円。
または95円~125円程度のレンジという想定もされるが、必要資金は小さいのでここでは割愛。
つまり、30万円でスタートして毎月6万円くらい積み立てることが出来れば追いつく計算だ。それが難しいならばスタート資金をもう少し溜めてからにしよう。
2~3年程度
上記から反転、今度はレンジの反対側を目指すパターン。
ここで必要資金は2,896,800円、レンジずらしで1,570,800円。レンジずらしで2年を目途にするならば、2年目は毎月4万円程度の積み立てが必要。均せば月5万円くらい。
1年経って動きが狭ければ3年を目途に・・・などと調整してもいいだろう。
他通貨ペア
まとめると上記のようになる。※ポンド円も一律に扱っているが、それが適切かの判断はここでは行わないものとする。
これを踏まえて、毎月いくら積み立てながら・・・とか、ボーナスでいくら入れようとかを視野に入れながら運用するのも一つの方法。
メリットはそれまでの間の利益を逃さない、機会損失の防止。デメリットは想定を超えた値動きが起きた時に資金ショートがあり得る点。
必要以上に資金を置いていても運用効率が低下してしまうので、この辺りも管理することでより効果的な運用が出来るだろう。
繰返しになるが、1年経っても値動きが狭ければその間は別の運用をするというのも一つの選択。
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両建てリピートにおけるレンジずらし、資金効率は如何ほどに。【クロス円編】
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