以下の記事でリピート系注文をする上では買いか売りかを決めると述べた。
始めるには何を決めればいいの?リピート系注文における設定項目。
しかし、実はもう一つ『両方』という選択がある。そう、両建てだ。買いも売りも同時にすることで、利益2倍・・・?そんな欲張りさん向けの両建てリピートについて。
前提とそもそもの話
例えば、以下のような両建てをしたものとする。
通貨ペア:ドル円
売買の別:両建て
Lot:1,000通貨
想定レンジ:95円~125円(30円幅)
注文間隔:1円(100pips)
利確幅:1円(100pips)
さて、この注文。あくまでも『売りと買いが2つ存在する』のが本来の姿であって、両建てというのが注文のあり方ではない。
下記記事に基き、買いの必要証拠金が582,800円、売りの必要証拠金が620,000円。よって、両建てする場合、1,202,800円が運用資金になるべきである。というのが、建前。
両建てリピートのメリット
一つの証拠金で運用できる
両建ての最大のポイントは『両方が最大の含み損を抱えることはない』ということだ。
画像は両建時の値動きと含み損のイメージ(割と雑)。青線がドル円値動き、赤い領域が含み損。想定レンジの上限下限でそれぞれ含み損が最大になるが、中央ではそれぞれ相殺する。
よって、上記では1,202,800円の証拠金を前提に、とは言ったが、想定レンジの中に留まる限りは大きい方の証拠金があれば事足りる。つまり、620,000円での運用を行える。それなのに利益は買いと売りの両方分。つまり、資金あたりの運用効率を2倍弱に高めることが出来る。
2倍にならない理由は証拠金が半分よりは高くつくこと、スワップポイントが相殺されること、スプレッドにより約定に差が出ることなど。
※証券会社によっては、約定していない注文分も証拠金が必要になる場合がある。その場合は買い注文分の証拠金を上乗せして計算する必要あり。
上昇局面でも下降局面でも利益が発生する
例えば買いの注文をした場合、相場の上昇局面では景気よく決済される反面、下降局面は謂わば仕込みの時期。新規ポジションを取るばかりで決済されることは少ない。
すると、年間を通してある程度均されるとしても、月ごとに見ると決済利益に大きな差があるなんてことも珍しくない。
対して両建ての場合、上昇局面では買いが、下降局面では売りが決済されるので、月ごとの差というものが小さくなる。
両建てリピートのデメリット
常に含み損状態
例えば買い注文をした場合、ドローダウンの分だけ含み損を抱えるが、高値を更新している間には含み損がほぼ発生していない。よって、リピート系注文による運用をやめたい場合には高値圏の時であれば円満に停止できる。(売り注文の場合は安値圏)
一方、両建てリピートの場合には上記の画像のように買いポジションか売りポジション、あるいは両方が常に含み損を抱えている状態となる為、途中で運用を停止する場合は損切りを伴う。決済利益で上回ればいいが、場合によっては利益が全部消し飛ぶなんてことも・・・?
なお、一度最大の含み損を抱えた(想定レンジの端に達した)リピート注文の含み損は最低でも半分程度までしか回復しない。(半値戻し時。)
よって両建てリピートをする場合は長期運用を前提に考えるべきだろう。
行き過ぎはどっちでもロスカット
上記に関連する点だが、買いの注文をした場合、想定レンジを下に抜ければロスカットだが、上に抜ければ機会損失になるだけで実害はない。売り注文の場合は逆。
一方、両建てをした場合は上に抜けても下に抜けてもロスカットされる。(実際には決済利益等があるので多少の余裕はあるが。)
その為、一方行の注文よりも慎重にレンジ幅を設定する必要がある。
マイナススワップの方が大きい
両建てをする場合、上昇局面では売りポジションが、下降局面では買いポジションがそれぞれ拘束され長期保有することになる。
その比率は均せば半々に、保有期間も売り買い同じくらいになる筈である。売りと買いのスワップポイントが同額であれば良いのだが、多くの証券会社では足したらマイナスになる(マイナススワップの方が大きい)。
よって、スワップポイントの期待値はマイナスになる。この点を考えると、スワップポイントが大きい通貨は両建には相対的不向きであることになるが、ウェイトはそこまで大きくはない。
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まとめ
両建ては証拠金に対する運用効率を飛躍的に高めることができる。反面、広めのレンジで塩漬け覚悟での運用の必要あり。
正しく使えば何も問題はない。積極的に使うべきだと、僕は思う。
余談だが、インヴァスト証券のトライオートが提供しているレンジ追尾やレンジフォーカスは両建てリピートの延長である。個人的には、そのまま使うには想定レンジ幅が狭いと思っているが。
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