以下リピート系注文における両建てについての記事において、両建てリピートのデメリットとして『スワップの期待値がマイナス』であることを述べた。
さて、このスワップマイナス問題について、一つの解決案を考えてみたい。
異通貨での両建て
スワップの期待値がマイナスというのは、即ち同一通貨のプラスになるスワップポイントとマイナスになるスワップポイントを比べた時、後者の方が大きいことによるものだ。
例えば3月7日現在のマネースクエアのスワップポイントによると、ドル円1万通貨あたり買いが7円、売りが-27円。その差-20円。これが積み重なる。
ではこの解決策は。そう、別の通貨ペアを組み合わせて行うというのはどうだろうか。
具体的には
この通貨の組み合わせは以下の点を満たしていることが望ましい。
・値動きに相関がある
・スワップポイントに差がある
一点目、値動きに相関があるというのは似た値動き、もしくは逆の値動きをする通貨ペアの組み合わせのことだ。相関の強弱についてはまた別に語るとして、例えば
・USD/JPYとEUR/JPY
・AUD/JPYとNZD/JPY
・TRY/JPYとMXN/JPY(メキシコペソ円)
とか。
この他に、そもそもリピート系注文に向いているかなどの問題もあるので、ここでは豪ドル円(AUD/JPY)とNZドル円(NZD/JPY)を例に考えていこう。
相関は?
上記は豪ドル円の月足にNZドル円の月足を重ねたもの。(薄い方がNZドル円。推移を読み取ることが目的なので、縦軸は調整している。)
一目見て分かる程に似た動き、つまり高い相関があることが読み取れる。
こちらはAUD/NZDの月足。これが横一直線であればあるほど相関が強いということだ。
上下の幅が調整されているので分かりづらいが、20年間1.00-1.38の間を維持している。ドル円に置き換えたら100円から138円の間ということで、いかに安定しているかが分かる。(実際のドル円は20年間で76円~148円まで推移している。)
スワップポイント差は
では、肝心のスワップポイント差はどうなのか。3月8日時点のマネースクエアにおけるスワップポイント差は以下の通り。
豪ドル円:買16円/売-36円
NZドル円:買19円/売-39円
あっ・・・
スワップポイントの大小だけで見るとZNドル円ロング・豪ドル円ショートの組み合わせが好ましいが、それでもマイナススワップが大きい。この理論は成立しないことになる。
(全くの無意味という訳ではないが、後述のデメリットが勝るだろう。)
代替案はある
豪ドル円・NZドル円に比べると相関は下がるが、例えばドル円とユーロ円という選択もある。こちらのスワップポイントは以下の通り。
ドル円:買7円/売-27円
ユーロ円:買-21円/売1円
この組み合わせであれば、ドル円ロング・ユーロ円ショートとすることで双方のスワップポイントがプラスになり、スワップポイント期待値マイナス問題は解消する。
結論的にはイマイチ
当然ながら同一通貨と違って完全な相関ではないので、NZドル安・豪ドル高、ドル安ユーロ高みたいなことが起きれば同一通貨両建て以上の含み損が発生する可能性はある。
その為、余裕を持った運用資金を用意すると収益率が下がり、結果マイナススワップを飲んでた方が良かった、なんて事態も考えられる。
それぞれの通貨に対しレンジ幅を計算する必要もあり、だったら管理面も含めて同一通貨両建てで良いのではないか、というのが個人的な意見。そんな訳で今回は悪い例の紹介、というところで。
あくまで基本は単体×2
両建ての記事でも述べた通り、あくまでも基本は「ドル円とユーロ円を両方ロングするなら、ユーロ円をショートにしよう」というのが根底だと思うべきである。
証拠金の圧縮はその先、という考えを持たないとロスカットに直結しかねない。
利益2倍?リピート系注文における両建てのメリットデメリット。
MAX方式の恩恵を受けられない
証券会社にもよるが、同一通貨の場合にはMAX方式(売り買いどちらか数量の多い方の証拠金のみが必要)によって運用資金を圧縮することが出来る。
しかし異通過ペアの場合にはMAX方式の恩恵は受けられず、メリットが減少する。
スワップポイント変動も
当然ながらスワップポイントは変動し得るもので、上手い組み合わせを見つけたつもりが破綻してしまうことも。
通常のスワップポイントサヤ取りであれば証券会社を変えればいい話だが、リピート系の場合はそう易々とポジション全決済をするものではないので難しい。
異業者は論外
サヤ取りというと異業者、というイメージがあるが、両建てリピートにおいては証拠金の一元管理によって含み損が最大化しないというメリットを享受できないので、そもそも破綻している。
100万円の資金を売り買いの証券会社にそれぞれ半分ずつにしたら、ロスカットがぐんと近づいてしまう。一か所にあるから成立するのが両建てである。
「ずらし」は有効
もし上記を理解した上で行う場合には、「ずらし」の考え方は有効である。
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