以下の記事でリピート系注文における両建て・異通貨両建てについて考えてみたところだが、今日は更に応用を考えてみたい。
三通貨での「三すくみ」だ。
※三すくみ:いわゆるジャンケンの関係。
利益2倍?リピート系注文における両建てのメリットデメリット。
まずは概要
今回の運用においては「円」「ドル」「ユーロ」を例に説明していきたい。
もちろん他の通貨での運用も可能ではあるが、三すくみは扱う通貨が多い分不確定要素が増え、リスクも高まるのでなるべく安定した通貨での運用を考えていきたいところ。
三すくみの基本は三つの通貨に対してロング・ショートそれぞれ1ペアずつリピート系注文を入れること。
(イメージ)
両建てと同じく、一つが上がったら一つは下がる関係を維持することが重要だ。
今回の場合、通貨ペアは「ドル円(USD/JPY)」「ユーロ円(EUR/JPY)」「ユーロドル(EUR/USD)」の3つだ。
ドル円がロングなら、ユーロ円はショート、そしてユーロドルはロング。これで各通貨の売買が等しくなる。
ドル円ロング(ドル買い・円売り)
ユーロ円ショート(ユーロ売り・円買い)
ユーロドルロング(ユーロ買い・ドル売り)
各通貨の売り・買いがそれぞれ1つづつある状態だ。
この状態の意味は基本的には両建てと同じで、いずれかのペアが含み損を抱えている時には他のペアが利益を出す構成であること。
〇:リピート利益 ×:含み損 -:動きなし
上図のように、最大含み損を抱える組み合わせを一つに絞ることが目的だ。
実際には複数の要因が同時に絡むのでこんなに単純な形ではなく△・△・◎みたいなこともある訳だが、詳細は後述する。
ちなみにこれは買いと売りが逆でもいい。
ドル円ショート(ドル売り・円買い)
ユーロ円ロング(ユーロ買い・円売り)
ユーロドルショート(ユーロ売り・ドル買い)
ただし、他の組み合わせは存在しない。
例えばこれはNG
ドル円ショート(ドル売り・円買い)
ユーロ円ロング(ユーロ売り・円買い)
ユーロドルショート(ユーロ売り・ドル買い)
この場合、それぞれの補完が機能しない。(円が2ペアで買われ、売られていない/ユーロが2ペアで売られ、買われていない)
赤い箇所になると、大きな含み損を抱えることになる。
具体的な注文を想定
この設定においては、過去20年間の値幅を想定した上で、全幅に注文を入れる訳ではなく上限付近にはロングを入れない・下限付近にはショートを入れないものとして設定する。
5年?10年?リピート系注文の想定レンジ幅はどのくらい見積もるべき?
具体的には以下のように設定したものとしよう。
ドル円ロング:75円~125円(75円~145円)
ユーロ円ショート:110円~170円(90円~170円)
ユーロドルロング:0.80~1.40(0.80~1.60)
注文幅:100pips
利確幅:100pips
証拠金:2,244,800円
※括弧内は想定レンジ
注文幅は20年間幅に対する割合で設定してもいいのだが、メジャー通貨ペアとなると5円・10円など節目のレートは強く意識されることもあり、半ば独断も含め設定した。非合理的と感じる方は調整を。
証拠金の設定はユーロ円単独での証拠金。今回は比較に主眼を置いているため適正かどうかの判断は後述する。
必要資金はいくら?リピート系注文における下落幅と含み損の早見表。
値動きごとの含み損
さて、上記はドル円・ユーロ円に対応するユーロドルレートである。横軸がドル円、縦軸がユーロ円、交差するところがユーロドル。
ユーロドルが赤字・灰網掛けになっている箇所は今回想定していない部分である。
(本来であれば縦軸をユーロドル、中をユーロ円とした方が為替的に正しい考え方なのだがイメージしやすいよう配置している。)
そして上記は各レートにおいて想定される最大の含み損の合計なのだが、ピンクの網掛け箇所が含み損が想定資金を上回る箇所である。円安時にユーロドルの含み損を円換算するとかなりの打撃になるが分かる。
・・が、これは想定し得る最大。つまり、『ドル円125円』『ユロ円110円』『ユーロドル1.40』の全てにタッチした後での計算である。(ただしポジション分の必要証拠金を含まない)
円高になってドル高になってユーロ高、そこから更に円安・・・など、3通貨が絡む分だけ最大値には達する可能性は低くなるので、上記画像が即ち「もっと証拠金が必要」ということを示す訳ではない。
ドル円両建てと比較してみる
以下のドル円両建て設定との比較をもって考えてみよう。
ドル円ロング:75円~125円
ドル円ショート:95円~145円
注文幅:100pips
利確幅:100pips
証拠金:1,570,800円
三すくみはドル円に対し運用資金が1.429倍なので、スワップポイントを無視すれば同倍率、1.429倍の利益確定があれば運用効率が上回ることになる。
両建ては2方向の注文。三すくみは3方向の注文。各通貨のボラティリティが等しければ理論上1.5倍になるのでギリギリ行けそう・・・?
・・・なのだが、デメリット
先述した三通貨フルでの値動きでの最大含み損リスクがある。証拠金を増やせば、当然運用効率は低下する。
三つの通貨が登場するのでファンダメンタルズ的に予想外の動きをする可能性は高まるなどの問題も。
また、両建て同様にスワップポイントの期待値はマイナスとなる。ただしこれについては利確回数が増えることで充分ペイできるとは思われる。
両建てリピートのマイナススワップは現実的?どの程度のダメージかを計算!
ユーロドルの利益が円高時・円安時にブレる点も一つの難点か。
そして、ちょっと複雑なので考えることは増える。もっとも、一度設定してしまえば後は放置なのだが。
結論
瞬間火力は高そうに見えるが、リスクや必要資金あたりの運用効率を考えると微妙という残念な結果に・・・
結局は異通貨両建てと似たようなところに着地してしまった。
両建てリピートのスワップサヤ取り!応用その2?「異通貨両建て」はどうなの?
当初「これかなりイケる!」と思って計算を始めたのでちょっとショック。
余談
理屈上は通貨ペアを増やして4すくみ、5すくみ、6すくみ・・・と発展させていくことも可能である。
しかし、結果は計算するまでもないだろう。
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