この記事は2018年5月に書かれ、当時のサービス『MSV LIFE』に関連する内容が含まれています。
現在、同サービスは『ON COMPASS』に名称変更され、この記事の記載内容も現行と異なる場合がありますのでご了承ください。
巷で話題のロボアドバイザー。
自動で運用してくれるのは魅力的だけど、どれも同じように見えて結局どれがいいのか分からない・・・
そんな悩みを持っている方は多いのではないだろうか。
大手どころのWealthNavi・THEO・MSV LIFEを実際に使って運用している僕の目線で、各機能毎にそれぞれのメリット・デメリットを比較していきたい。
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最強ロボアドバイザーはどれだ!?3口座同時稼働!【WealthNavi・THEO・MSV LIFE】
この記事は2018年2月に、当時のサービス『MSV LIFE』について書かれたものです。 現在、同サービスは『ON COMPASS』に名称変更され、この記事の記載内容も現行と異なる場合がありますのでご ...
おさらい:ロボアドバイザーとは?
ロボアドバイザーというのは投資対象の決定・買付・利益の再投資・リバランスまでを一貫して行ってくれる、投資一任運用というサービス。
個人では知識と手間の掛かる分散・長期投資を一任できるので、ほったらかしで資産運用というのが魅力。
投資対象は国内外株式・債権・不動産(REIT)・コモディティ(商品)・通貨など。
当然いずれの商品も元本割れリスクがあるが、運用を開始する前に年齢・投資経験・スタンスなどでリスク許容度が設定され、その人に応じて投資対象や比率を変動させる。
※リバランス:投資対象の相場変動によるポートフォリオ比率の変化を修正すること。
ロボアドバイザーの選び方
では、ロボアドバイザーは何を基準に選べばいいのか。実はこれが中々難しい。
二つのポートフォリオを並べた時にどちらが優れているかなんて求めるものによって異なるし、後になってみなければ成績も分からない。
それでも敢えてポイントを挙げるとしたら、以下のような点だろう。
過去の運用成績
将来の成績は誰も分からない。でも、過去同じ環境で高い成績を出していたものの方が今後も高い成績を出せる・・・可能性が高い。
これだけで決めるのは早計だが、一つの指標になることは間違いないだろう。
手数料
ロボアドバイザーは、正直どれも似たような運用をする。
主な投資対象は国内外の株式と、債券と、コモディディ。
積極的な運用をするほど株式(特に海外)の比率が高く、保守的な運用ほど債券(特に国内)の比率が高くなる。資産額が大きいほどコモディティ比率も高まるだろう。
じゃあ似たような運用をする時、何が差を分けるかと言ったら手数料だ。
年間のリターンが10%だとして、手数料1%と3%だと最終的な利益は3割以上の差になってくる。当然安ければ安い方がいいに決まっている。
その他・・・
運用のイメージによって異なってくるが、最低投資額や積立額、入金などの利便性も地味に無視できない。
あとは数値化し辛いのだが、画面の見易さ、分かり易さなども大切なポイント。
以下、差別化し得るポイントを挙げ、表にまとめてみた。
ロボアドバイザー三社を比較!
公称パフォーマンス
各社まだ数年程度の歴史なので、この数値は過去に稼働していたらどうなったか・・・というシミュレーション結果。
MSV LIFEは数値を公表していないのだが、WealthNavi・THEOを比べるとWealthNaviがリード。
これはどちらも中程度のリスク設定の場合なので、ハイリスク設定にすればもう少し高いパフォーマンスになり得るだろう。
手数料
単純な手数料で言えば、MSV LIFEが最も安い。
目標値とは言え、内訳は0.891%の固定+ETF経費率0.1%未満なので、ETFの経費率次第ではもう少し下回る可能性もある。
一方で、WealthNavi・THEOについては3000万円を超えた部分が手数料半額。
約3060万円運用すると0.991%を下回る計算。
5000万円の場合の手数料は40万円(3000万円×1% + 2000万円)、率にして0.8%である。
また、WealthNaviは運用額が50万円以上だと、半年毎に手数料が割り引かれる。手数料0.90%で打ち止め。(ただし途中で出金すると割引リセット)
運用額50万円以上200万円未満:半年につき0.01%ずつ割引
運用額200万円以上:半年につき0.02%ずつ割引
つまり、運用額が50万円ならば半年後には0.99%。MSV LIFEの目標値を下回る。
よって、手数料面では運用額50万円未満ならMSV LIFEが有利、50万円以上ならWealthNaviが有利ということになる。
最小投資額
MSV LIFEが1,000円という超少額から運用をすることが可能。
THEOは1万円から運用可能なのだが、資金が10万円未満の場合には株式ETF中心の運用となり、本来のポートフォリオと異なるものになる。
自動積立
こちらもMSV LIFEが1,000円単位と最小・・・なのだが、これはマネックス証券の証券総合口座からMSV LIFEへの自動振替が1,000円単位なだけ。
※MSV LIFEへの入金は、銀行 → マネックス証券総合口座へ入金 → MSV LIFEへ振替という手順を踏む必要あり。
では、銀行からマネックス証券総合口座への自動振替はというと、1万円からなのである。
つまり、全自動で振り替えようとすると銀行から1万円引かれて、うち1,000円がMSV LIFEへ振替、9,000円が証券総合口座に残るという事態に。
9,000円を手動で引き出すことに目を瞑れるなら良いが・・・現実的には1万円以上1,000円単位の積立だと言えるだろう。
また、THEOは月々の積立はゼロで、任意のボーナス月だけ積み立てるという変則的な設定も可能。
極端な例を挙げれば、1月は1万円、2月は80万円、3月~12月はゼロ、とか。
クイック入金
対応している銀行の数だけで言えばMSV LIFEが最も多い。
しかし、これまたMSV LIFEへの直接入金ではなくマネックス証券の証券総合口座の話。
そこからMSV LIFEへの振替は、毎月の買付日朝(原則11日)に自動で行われるのでクイックでも何でもない。ただの手数料無料の入金手段。
結果、実質的にはWealthNaviの圧勝。
利益の再投資・リバランス
これはどのロボアドにも標準装備されている機能なので、大きな差異はない。
強いて言えば、運用している印象としてはTHEOがリバランス頻度高め。
高ければ良いとか悪いとかいう問題ではないので、ここで差は付けない。
税金の最適化(DeTAX)
WealthNaviの独自機能で、年末時点で一定以上の実現益がある場合、抱えている含み損を決済させることで当年の実現利益を圧縮。税負担を繰り延べることができる。
例えば年末時点で100万円の実現益と50万円の含み損がある場合、100万円部分に対して所得税+復興特別所得税で203,150円の税金が掛かる。
しかし50万円の含み損を確定させてしまえば課税所得は50万円になるので、税金は101,575円で済む。
将来払うか今払うかという差ではあるのだが、DeTAXを行うことで差額の約10万円を少なくとも1年間運用することができる為、これを積み上げていくと少なからぬ差が生まれていく。
運用の診断・設定
診断項目については、MSV LIFEが最も多くTHEOが最も少ない。
とはいえ、多ければ良いというものでもないのでここでの判断は行わない。
また、THEO・MSV LIFEは運用診断を行わず自分の好みで設定することも可能。WealthNaviでも診断の回答を弄れば良いのだが。
まとめ
WealthNavi
公称パフォーマンス・長期割による手数料・クイック入金等の充実度・DeTAX機能など、殆ど欠点がない。
インターフェス(取引画面など)も使いやすく、最もお勧めできるロボアドバイザーである。
WealthNaviの特徴とスペックまとめ【ロボアドバイザー徹底比較】
マネックス証券 MSV LIFE
50万円以下の運用において手数料最安というのが非常に魅力的なロボアドバイザー。
1,000円という少額から取引が出来ることもポイント。
反面、マネックス証券とマネックス・セゾン・バンガード投資顧問という二つの会社が介在する為に入金面などで煩わしさが否めない。
今後使い勝手が改善されればNo.1に君臨し得るポテンシャルを秘めている。
THEO
悪くないロボアドバイザーだとは思うのだが・・・
正直、WealthNaviと並べると差別化を図るのは苦しい。